2026-11-04

録音の雑音を消す方法|iPhone・Android・PCで無料でできる対処法

録音や動画に入った雑音を消す方法を、iPhoneのボイスメモ、Pixelのレコーダー、WindowsのClipchamp、ブラウザのAIツールに分けて手順で解説。消せない雑音と、次から雑音を入れない録音のコツも紹介します。

録音に入った雑音は、無料の方法でかなり減らせます。iPhoneならボイスメモの「録音補正」、PixelならレコーダーのAI機能、WindowsならClipchampの「ノイズ抑制」が使えます。どの端末でも使いたい場合や、書き出したファイル自体をきれいにしたい場合は、ブラウザで動くAIのノイズ除去ツールが手軽です。ただし、部屋の反響(エコー)や後ろで話している人の声のように、どの方法でも消しにくい音もあります。

まず、どんな雑音かを確認する

方法を選ぶ前に、録音を聴いてどんな音が入っているかを確かめましょう。消しやすさは雑音の種類で大きく変わります。

雑音の種類例消しやすさ
ずっと同じ調子で鳴る音エアコン、PCファン、冷蔵庫、サーッというホワイトノイズ、ブーンというハム音消しやすい。多くの方法でよく効く
不規則に変わる音車の走行音、外の工事、キーボードの打鍵音AIツールならある程度減らせる
部屋の反響お風呂場のように声が響く消しにくい。言葉の間に残る響きなら、AIツールである程度抑えられる
人の声後ろの会話、テレビの音声ほぼ消せない(声と同じ種類の音のため)
音割れ大きな声で「バリバリ」と歪む消せない

ここから先は、上の2つ(同じ調子で鳴る音、不規則に変わる音)を減らす方法です。

iPhone:ボイスメモの「録音補正」を使う

iPhoneのボイスメモには、周囲のノイズや反響を減らす「録音補正」があります。

  1. 「ボイスメモ」アプリを開きます(ホーム画面の「ユーティリティ」フォルダに入っていることがあります)。
  2. 雑音を減らしたい録音をタップします。
  3. その他ボタン(…)をタップし、「オプション」を選びます。
  4. 「録音補正」をオンにして、「完了」をタップします。

Appleの公式ガイドでは、この設定は再生時に周囲のノイズやエコーを減らすものとして説明されています。空間オーディオで録音したものは「録音補正」の代わりに「スタジオサウンド」が表示され、スライダーで効き具合を調整できます。同じ画面の「無音をスキップ」をオンにすると、話していない部分を飛ばして再生できます。

再生時に聴きやすくなっても、共有したファイルが同じように聞こえるとは限りません。人に送る前に、書き出したファイルを一度聴いて確かめてください。ファイル自体の雑音を消したい場合は、後で紹介するブラウザのツールが使えます。

Android:Pixelのレコーダーで「クリアな音声」を使う

Google Pixel 9シリーズのレコーダーアプリには、2024年12月のアップデートで「クリアな音声」が加わりました。背景の雑音を抑えて、声を聞き取りやすくする機能です。

  • 録音を再生するときに使います。
  • モノラルで録音したものが対象です。レコーダーの設定で「オーディオチャンネル」を「モノラル」にしてから録音してください。ステレオで録音したものでは使えません。

ほかの機種や、メーカーごとの録音アプリにも似た機能が搭載されている場合もありますが、名前や場所は機種によって違います。見つからない場合は、録音したファイルを次に紹介するツールで処理しましょう。

Windows:Clipchampの「ノイズ抑制」を使う

Windows 11に標準搭載されている動画編集アプリのClipchampには、音声のノイズ抑制機能があります。Microsoftのサポートページによると、バックグラウンドのノイズ、ハム音、エコーを減らす機能で、個人アカウントなら無料で使えます。音声ファイルだけでなく、動画の音声にも使えます。

  1. Clipchampで新しい動画を作り、「マイ メディア」の「メディアのインポート」から録音や動画を読み込みます。
  2. 読み込んだファイルをタイムラインにドラッグします。
  3. 動画の場合は、クリップを選んでプロパティパネルの「オーディオ」タブにある「オーディオのデタッチ」で、音声を別のトラックに分けます。
  4. 音声のクリップを選び、プロパティパネルの「オーディオ」タブで「ノイズ抑制」をオンにします。
  5. 聴いて確かめてから書き出します。

動画編集の画面なので、音声だけを直したいときは少し手順が多く感じるかもしれません。

Mac・Windows:Audacityで細かく調整する

無料の音声編集ソフトAudacityには「ノイズ除去」があり、MacでもWindowsでも使えます。雑音だけが鳴っている数秒を「ノイズプロファイル」として読み取らせてから、録音全体にかける仕組みです。削る量を細かく決められる反面、ノイズだけの区間がない録音や、途中で雑音が変わる録音には向きません。手順と設定値はAudacityでノイズ除去するやり方で詳しく解説しています。

スマホでもPCでも:ブラウザのAIツールで雑音を消す

アプリを入れずに、ファイルそのものから雑音を消したい場合は、ブラウザで使えるAIツールが手軽です。AudioCleanは、オープンソースのAIモデル(DeepFilterNet3)で声と雑音を分けるノイズ除去ツールです。ノイズのサンプルを用意する必要はありません。

  1. ブラウザでAudioCleanのノイズ除去ツールを開きます。
  2. 録音ファイルをドラッグ&ドロップするか、枠をクリックして選びます。MP3、WAV、M4A、FLACなどの音声に加えて、MP4やMOVなどの動画もそのまま入れられます。
  3. レベルを選びます。軽い雑音なら「軽度」、たいていの録音は「中程度」、かなりうるさい録音は「強力」が目安です。
  4. 「オリジナル」と「ノイズ除去済み」を切り替えて聴き比べ、問題なければダウンロードします。声がこもると感じたら、レベルを下げて処理し直せます。

処理はお使いの端末のブラウザ内で行われ、ファイルはサーバーにアップロードされません(詳しくは処理の仕組みとプライバシー)。ページとAIモデルを読み込むために、インターネット接続は必要です。無料プランでは、1ファイルあたり10分・300MBまで、登録なしで処理でき、ダウンロードは1日5回までです。

スマホのブラウザでも使えますが、長い録音や動画は端末のメモリが足りずに失敗することがあります。その場合はPCで試してください。iPhoneやAndroidで録った音声メモについてはボイスメモのノイズ除去、PCファンやエアコンの音が中心ならファンノイズの除去のページも参考になります。

動画の雑音を消す場合

動画の場合も、ファイルをそのまま入れれば大丈夫です。AudioCleanは映像には手を加えず、音声だけをノイズ除去後のものに差し替えて書き出します。動画編集ソフトで音声を取り出したり、差し替えたりする必要はありません。詳しくは動画のノイズ除去をご覧ください。

どの方法でも消しにくい雑音

AIツールでも、次のような音はうまく消せません。

  • 部屋の反響(エコー):声と一緒に響いているため、声だけを残すのが難しい音です。AudioCleanでも言葉の間に残る響きはある程度抑えられますが、同じ言葉が二度聞こえるようなはっきりしたエコーや、声そのものにかかった響きは残ります(詳しくは部屋の反響の軽減)。
  • 後ろで話している人の声やテレビの音声:声と同じ種類の音なので、残したい声と区別できません。
  • 音割れ:録音の時点で波形が欠けているため、後から元に戻せません。

また、AudioCleanは録音済みのファイルを後から整えるツールです。ZoomやDiscordなどの通話中にリアルタイムで雑音を消すことはできません。通話中の雑音には、各アプリのノイズ抑制機能を使ってください。

次から雑音を入れない録音のコツ

後から消すより、録るときに入れないほうが確実です。

  • マイクを口に近づける:声が大きく録れるほど、まわりの雑音が相対的に小さくなります。スマホなら、マイクの穴(多くは本体の下側)を口に向けて録りましょう。
  • 雑音のもとを止める:エアコン、扇風機、空気清浄機は、録音の間だけ止めるのが一番の対策です。
  • 響きにくい部屋で録る:カーテン、カーペット、ソファのある部屋は反響が少なくなります。浴室や家具の少ない部屋は響きやすいです。
  • 屋外では風を避ける:風がマイクに直接当たると「ボボボ」という音が入り、後から消しにくくなります。建物の陰などで録りましょう。
  • 最初に数秒だけ試し録りする:本番の前に10秒ほど録って聴き返すと、雑音や音量の問題にすぐ気づけます。

よくある質問

録音の雑音は無料で消せますか?

無料でかなり減らせます。iPhoneのボイスメモ、Pixelのレコーダー、WindowsのClipchamp、Audacityはいずれも無料で使えます。ブラウザのAudioCleanも、無料プランなら10分までのファイルを登録なしで処理できます。

スマホだけで雑音を消せますか?

iPhoneならボイスメモの「録音補正」、Pixel 9シリーズならレコーダーの「クリアな音声」で、再生時の雑音を減らせます。ファイル自体の雑音を消したい場合は、スマホのブラウザでAudioCleanを開いて処理できます。長いファイルはPCのほうが安定します。

雑音を消したら声がこもりました。

雑音を強く削りすぎると、声の高い音も一緒に削れてこもった感じになります。AudioCleanなら「軽度」や「中程度」にレベルを下げて処理し直してください。完全に消そうとせず、気にならない程度で止めるのがきれいに仕上げるコツです。

動画の雑音も消せますか?

減らせます。AudioCleanにMP4やMOVの動画をそのまま入れると、映像はそのままで音声だけ雑音を消して書き出します。WindowsならClipchampの「ノイズ抑制」も動画の音声に使えます。

録音したファイルはどこかに送られますか?

AudioCleanでは、ファイルはお使いの端末のブラウザ内で処理され、サーバーにはアップロードされません。ファイルが外部に送信されないため、会議の録音など外に出したくないファイルにも向いています。